会長ご挨拶 趣旨文 私たちの提言 大会レポート 思想セミナー トピック 自治体議決状況 討議資料

2.集団的自衛権行使を認める

私たちの提言
2.集団的自衛権行使を認める

集団的自衛権の行使について提言いたします。

 

1)日米同盟の深化について

 

「日米同盟の深化」が叫ばれていますが、その本質は、日本が「集団的自衛権の行使」を認めることに尽きます。それは米国による日本に対する最も強い要請の一つです。

 アメリカが日本に対して何を願っているのか。それは単純に防衛費増強や空母建造、原子力潜水艦建造ではありません。今すぐにでもできること、それは集団的自衛権行使に踏み切ることです。

 中国高官は「日米同盟」を抑止力になっていないと言っています。NBRというアメリカのシンクタンク(今のオバマ政権で最も影響を与えていると言われている)が2009年11月17日に報告書を提出しました。そこでは、中国の高官が日米同盟を「張り子の虎」と捉えていると記されています。すなわち、仕組みとしては強いが実際の働きでは弱いということです。

 日米防衛協力を実効あるものとする最も有効な方法は集団的自衛権行使を認めることです。ある専門家はこう言いました。「集団的自衛権を行使するよと日本が宣言をしたら、10年間中国は動けなくなる」と。

 

2)海洋国家日本の繁栄と平和の為に

 

「集団的自衛権」は海洋国家日本の繁栄と平和の為にも何としても必要です。日本は貿易の99%を海運に依存しています。シーレーン(海上交通路)防衛というのは、世界の国々にとって、特に日本にとっては最も重要な課題です。一国でそれを守ることは不可能です。アメリカと一緒に守らなければなりません。そのためには集団的自衛権の行使が不可欠なのです。

 

3)集団的自衛権行使の法的な準備について

 

 すでに集団的自衛権行使の法的な準備として、平成20年、安倍晋三総理の時、さらに平成22年、鳩山内閣の時も それぞれの諮問院会が集団的自衛権行使を認めるべきという見解を出しています。いずれも、次の4つのテーマがその論議の主軸になっておりました。

(1)公海、つまり領域の外でアメリカが攻撃された場合、すぐ近くに日本の船がいたら一緒に守ってあげなさい、ということ。

 

(2)アメリカに向かうかもしれない弾道ミサイル、特にグアム島の米軍基地などに向かう弾道ミサイルを我が国の領空で迎撃すること。
    ※現在、グアムはアメリカの最も重要な軍事拠点となっています。

 

(3)国際平和活動の際の武器使用。イギリスやオランダの軍隊などと一緒にイラク等々で行動する状況において、他国の軍隊がテロリストに攻撃されても日本は、じっとみているだけで守ってあげようとしません。それは集団的自衛権の行使に当たるからできないというのです。そんな解釈は変更しなければなりません。

 

(4)いわゆる後方支援(補給活動など)。後方支援イコール集団的自衛権の行使ではないかという批判があります。したがってそれらを堂々と行うために、集団的自衛権の行使を宣言すべきです。

 

上記の内容を踏まえて、早期に集団的自衛権の行使を認めることを提言いたします。

 

 

レジュメ
(1)日米同盟の深化:日本に対する最も強い要請
  • 中国の日米同盟に対する見解
    • 抑止力となっていない(NBR報告-2009年11月17日-より)
    • 日米同盟はいわば「張り子の虎」
    • 「仕組みとしては強い。しかし、実際の働きでは弱い」
    •  

  • 日米防衛協力を実効あるものとする最も有効な方法は集団的自衛権行使を認めること
  •  

(2)海洋国家日本の繁栄と平和の為に
  • 貿易は99%海運に依存
    • シーレーンの安全保障が日本という国の生存、繁栄に直結する
    • 外周一万数千キロに及び海域を日本一国で守れるのか不可能⇒支えているのがアメリカ
    •  

  • アメリカと日本の生命線であるシーレーンを守る集団的自衛権の行使が必要
  •  

(3)四つのケースをすでに検討
  • 「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」著者:柳井俊二(平成20年)
  • 公海における米艦防護
  • 米国に向かうかもしれない弾道ミサイル防護
  • 国際平和活動の際の武器使用
  • いわゆる後方支援

 

 

1.緊急事態基本法の制定
3.日韓防衛協力強化(協定)の実現