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富山市議会で「緊急事態基本法」早期制定を願う意見書が可決

先般、全国フォーラムの提言を元に富山市議会議員が作成した意見書が富山市議会に提出され、その内容が議会で審議されました。その結果、賛成多数で可決され、その意見書は国会に提出されることとなりました。

内容は「緊急事態基本法」の早期制定を願う意見書です。議会に意見書を提出した市議は「昨年も尖閣問題で市民から陳情が行われ、自民党で勉強、検討したが、その様な積み重ねによって今回スムーズに通ったと思う。何かある度に陳情や請願を行うことが大切である」と感想を述べておられました。

今後、同様に各地の地方自治体で同様の議案が審議され、可決されていくことを期待いたします。

※写真は上記のニュースを報じた新聞記事(2011年7月1日 北日本新聞) クリックすると拡大します

【議会に提出した意見書(原文)】

今回の東日本大震災における我が国の対応は、当初「想定外」という言葉に代表されるように、緊急事態における取り組みの甘さを国民と世界に広く知らしめる結果となった。世界の多数の国々は今回のような大規模自然災害時には「非常事態宣言」を発令し、政府主導のもとに震災救援と復興に対処しているのである。我が国のように平時体制のまま国家的緊急事態を乗り切ろうとすると、前衛部隊の自衛隊、警察、消防などの初動態勢、例えば部隊の移動、私有物の撤去、土地の収用などに手間取り、救援活動にさまざまな支障を来し、その結果さらに被害が拡大するのである。

また原発事故への初動対応の遅れは、事故情報の第一次発信先が国ではなく、事故を起こした東京電力当事者というところに問題がある。さらに言えば、我が国の憲法はその前文に代表されるように平時を想定した文面となっており、各国に見られるように外部からの武力攻撃、テロや大規模自然災害を想定した「非常事態条項」が明記されていない。

平成16年5月にはその不備を捕足すべく、民主、自民、公明三党が「緊急事態基本法」の制定で合意したが、今日まで置き去りにされている。昨年来、中国漁船尖閣事件、ロシア閣僚級のたび重なる北方領土の訪問、北朝鮮核ミサイルの脅威など、自然災害以外にも国民の生命、財産、安全を脅かす事態が発生している。

よって、国会及び政府におかれては、「緊急事態基本法」を早急に制定されるよう強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成23年6月30日

富山市議会